kirdina’s(裏)自転車秘密工房

「ordinaM3を買ってみたブログ」の作者による秘密の自転車工房です。濃い部分だけ抽出してみました。

700C とか 650B とかってどういう意味か調べてみたよ

 自転車のタイヤを選んでいてしばしば見かける、こんな規格表記。

「700x25c」

 

 見たことありますよね? この意味、ちゃんと正しく理解してますか?

 

ロードバイクのタイヤは、外径がだいたい 700mm で、タイヤの太さが 25mm って意味でしょ?」

 

 ふむふむ、なるほどね。

 

 それじゃ、「c」って何なの? 「センチ」じゃないよ。

 これが説明できないようなら、100点満点で50点はあげられませんね~。

 

 …というわけで、ちょっと調べてみました。

 

 

 

 

 …とは申しましても、私も独自に調べてみただけですので、これが絶対に正解とも申し上げられないのですけど…(苦笑)、でも、それなりに良いセンいってるんじゃないかと…。どうでしょうか?

 ■フランス表記とアメリカ表記:

 まずは、ざっくりとタイヤのサイズ表記を眺めてみましたよ。

 

jitensha-tanken.geo.jp

 

 普段から見慣れているのは、「700c」とか「650b」とかばかりですけど、実はこんなにたくさんあったんですねーっ! びっくり!

 

 これを見てわかるとおりなのですけど、自転車のタイヤサイズ表記にはいくつかの種類があります。今回とりあげる「700c」とか「650b」とかは、フランス式の表記法なんですね。

 

■700cは700mmだったけど700mmじゃなくなった:

 で、今回はフランス式の表記の話ですけど、こちらの本に書いてあった話から、まとめてみました。

 

 

 結論を申しますと、

「700c は外径700mmだったけど、700mmじゃなくなった」

…ということ。

 

●フランス式表記法の見方:

 例えば、「700c」。

 このフランス式表記法、実はアルファベットの「c」はタイヤの太さを表しております…っていうか、”おりました”。実は昔々のこと、タイヤサイズは「a」、「b」、「c」、「d」の4つがあったのだそうです。「a」の方が細くて、徐々に太くなってゆき、一番太いのが「d」。つまり、「c」は「やや太めのタイヤ」を意味します。

 つまり、「700c」は、

cサイズのタイヤをはめて外径が700mmになるホイール

 

…という意味なのだとか。

 

 そこで、「ふむふむ、つまりcサイズは25mmのことね」…と思ったあなた! それは早合点!

 

・700c を計算してみる。

 それは、ちょっと逆算してみると分かります。700cホイールのビード*1は622mm。したがって、タイヤの太さを逆算すると、こうなります。*2

 

f:id:kirdina:20200604090012j:plain

(700-622)÷2=39

 はい、すなわち、

700c ホイールとは、だいたい39mmくらいの太さのタイヤをはめたときに、外径が700mmになるホイールのこと。 

 …ということだそうなのです!! びっくりですね!

 だいたい39mmの太さのタイヤってことは、最近で言うとグラベルロード、グラベルバイク、オールロードバイクなどで使われているタイヤのことですね。グラベルロードが「そもそもの700cホイールの姿」…だったのかーっ! 一種の先祖返りですね。

 

・650b を計算してみる。

 それでは応用問題。「650b」って何?

 はい、もう分かりましたね? そうです!

650b とは、

bサイズのタイヤをはめて外径が650mmになるホイールのこと。

 すると、bサイズのタイヤってどのくらいの太さなのでしょう? 650b ホイールのビード径は 584mm ですから、こうなります。

(650-584)÷2=33

  はい、cサイズ(39mm)よりちょっと細めな 33mm くらいの太さのタイヤと分かります。

 

 ご理解いただけましたでしょうか?

 

・650c を計算してみる。

 それじゃ、「650c」は? 650c のタイヤビード径は 571mm ですので…。はい、だいたい計算合ってますよね!

(650-571)÷2=39.5

 

●歴史的変遷と現代的表記:

 というわけで、そもそもだいたい 39mm くらいの太さのタイヤで使われてきた 700c ホイールだったのですが、歴史が進むにつれて様々な試行錯誤と研究が行われ、より速く効率的に走れるホイールサイズが研究されてきたようです。

 そして近年のロードバイクの世界では、700c サイズのホイールに、23mm や 25mm といった細いタイヤをはめる使い方がメジャーになってきたそうです。例えば 25mm のタイヤを使った場合…、

622+25+25=672

…となりますので、実際にはタイヤ外径は 700mm に満たない 672mm にも関わらず、700c ホイールと呼ばれることになってしまったんですね。ちょっとややこしい。だから、「700x25c」とか「700Cx25」とか、こういう書き方がされるようになったのですね。

 

 近年、WTB が提唱している「ロードプラス」という規格では、650B ホイールに 47mm くらいの太いタイヤを使います。

https://www.wtb.com/collections/road-plus

 すると外径はどうなるかと申しますと…、

584+47+47=678

…となりまして、一般的なロードバイクのタイヤ外径よりも若干大きいタイヤ外径となるわけです。650だから小さいと思ったら、大間違い。

 

■結語:

 そんなわけで、「700mmだけど700mmじゃない話」、お判りいただけたでしょうか?

 自転車の規格って色々ありますけど、それぞれに自転車の変遷の歴史を背負っているようで、調べていくと面白いですね!

 

 

 

*1:ビード径とは、タイヤとリムの接点となるビード部分の直径のこと。

*2:自転車のタイヤを断面で見るとほぼ円になっているので、タイヤの太さはそのままタイヤの高さとなると考えられます。