そろそろ各社とも2021年モデルのラインナップが出そろってまいりまして、自転車好きの端くれである私もそれらを見ながら楽しんでいるところです。
そんなわけで、やっぱり私が真っ先に見てしまうのは、BOMBTRACK BICYCLE COMPANY なのですけど、2020年は日本代理店の撤退で日本への輸入は無かったものの、ここへきて RITEWAY が日本代理店になることが決定したようで、2021年モデルは日本への輸入があるはず…と期待している私です。
そんな BOMBTRACK のラインナップの中で、やっぱり私が真っ先に見てしまうのは、ARISE なのであります。
というわけで、今回は BOMBTRACK ARISE 2021モデルを見てみましょう。
BOMBTRACK の公式ＨＰはこちら。
既に BOMBTRACK の2021モデル公式カタログが公開されております。
なかなかオシャレなカタログですので、興味ない方もちょっと見てみたら良いかもよ？
ちなみに、BOMBTRACK の2021ラインナップの概観については、別記事で書いてみました。
■2021の BOMBTRACK ARISE は：
もともと ARISE-1 、ARISE-2 となっていたのですけど、事実上 ARISE-1 が廃盤となり、ARISE-2 が2021版 ARISE としてカタログトップに挙がっております。
公式分類は、「GRAVEL & ALLROAD」。昨年までは「GRAVEL」のみでしたが、「ALLROAD」が加わりました。
同じ分類に、HOOK、AUDAX がいますので、これらのエントリーモデル的な位置づけが ARISE には与えられているということでしょうか。
「乗り手の使い道に合わせて多用途に使えるバイク」…という従来からのコンセプトは2021モデルでも当然維持。
2021の公式ＨＰの売り文句を、私の拙い英語力による翻訳とともにご紹介。
"Roll further, stop quicker, stay out playing longer."
「よく転がり、しっかり止まり、もっと長く外で遊べる」
"Based around an adaptable steel frame, out Arise range is ready to follow whatever road you point it down."
「どんな用途も受け入れる鉄フレームで、ARISE はあなたの望む場所に連れて行ってくれる」
"A simple, versatile bike. Our Arise uses a single-speed drivetrain allowing you to focus on riding not maintenance. Yet with disc brakes, a lively steel frame, and thru-axles it’s no Luddite. Built with fast wheels, broad tyres, and flared bars it’s happy over multiple surfaces, and ready to take on anything from commuting to touring. Infinitely adaptable with fittings for mudguards and a rack, both its frame and hub can also be converted to run an 11-speed drivetrain."
「シンプルな多用途バイク。シングルスピードの ARISE は、メンテナンスを気にすることなくライドに集中できる。ディスクブレーキ、鉄フレーム、スルーアクスル、ARISE は技術の進歩を否定しない。軽快なホイール、太いタイヤ、下広がりのドロップハンドルで、どんな道でも楽しめる。そして、街乗りからツーリングまで何でもこなせる。ドロヨケやラックも付けられる。なんなら１１速にしたって良い。」
そして、
"Practical and steady on the road and lively off it, the Arise is light, fast, versatile and fun"
「公道において実用的で丈夫、そしてオフロードで活動的。ARISE は軽くて速くて多用途で面白い。」
…ということで、「Cyclist」で星４つだそうです。
これらの言葉、実際に ARISE の2018モデルをほぼ３シーズン使った私としては、依怙贔屓なく賛同できるものです。まあ、そんな軽量なバイクじゃないけど、多少の誇張は商売上仕方ないと思いましょ（笑）。
カラー展開は２色。Glossy Coffee Black と、
こちらが、Glossy Metallic Pearl Blue。
2020モデルの Orange Fade が好きだった私ですけど、まあ、仕方ない。
■ARISE 2021 の特徴：
前述のとおり、2021の ARISE も、「乗り手の使い道に合わせて多用途に使えるバイク」…ということに変わりはありません。
2017モデルからディスクブレーキ化、2018モデルからはナローワイドチェーンリング標準装備で１ｘ化が容易となり、2020モデルから待望のスルーアクスル。大きなところではこのような変遷をたどってきた ARISE なのですけど、2021モデルでの大きな変化はこんな感じ。
サイズ展開の拡大とホイールサイズの適正化：
もともと 700C ホイールを使って、ＸＳ，Ｓ，Ｍ、Ｌの４サイズ展開だったのですが、2021からは、ＸＳ，Ｓ，Ｍ、Ｌ、ＸＬの５サイズ展開となり、更にＸＳ、Ｓでは650Bホイール、ＭからＸＬでは700Cホイールというように、ホイールサイズが適正化されました！
これで小柄な人でもカッコイイ形状のフレームに乗れるということで、ＧＯＯＤであります！SURLY の STRUGGLER などでも以前からあった方式ですけど、素敵です！
なお、これによりジオメトリも微妙に変更が加えられている模様。
荷物積載能力の更なる向上：
もともとキャリアやフェンダーの取り付けがしやすい ARISE でしたが、それがさらに向上したといえるのが 2021 モデル。
- フロントフォーククラウン前面に穴：
→ 普通はあるのですけど、ARISE には今まで無かったのです。これで一般的なフロントラックが取り付けやすくなりました。 - フロントフォーク前端にダボ穴２対：
→ これも他車ではよくあるのですけど、ARISE には無かったのです。一般的なフロントラックやフェンダーの取り付けがしやすくなりました。 - トップチューブ上部にダボ穴２つ：
→ 最近のグラベル系バイクでは一般的になりつつあるトップチューブ上部のダボ穴。これが ARISE にも装備されました。なお、これにより、従来はトップチューブ上を通っていたリアブレーキワイヤーが、トップチューブ下に移動しております。なお、ダウンチューブ裏下部のダボ穴は2019モデルから装備済み。
ただし、ひとつだけ残念なのは、リアエンドのダボ穴が２対から１対に減ってしまったこと。なんで減らしちゃったのかなぁ…。 フルフェンダーとリアキャリアの併存、不可能じゃないけど、やりにくくなっちゃったじゃないですか。
その他の変更点：
左シートステーに予備スポークホルダーが設置されました。ARISE にこれが必要か？…と問われると、私としては微妙…（苦笑）。でも、欲しかった人もいるのかもね。超長距離ツーリングに ARISE を使う人とか嬉しいと思うけど、そういう人は ARISE GEARED を選ぶかな、普通。
なお、フォーククラウン前面の穴といい、この予備スポークホルダーといい、おそらく ARISE GEARED とのパーツ共通化による製造コスト削減だと思いますけど、いかが？
2019モデルから始まったシフトワイヤールーティングの変更。2021モデルでは更に変更されまして、写真で見た感じですが、おそらくフルアウターでしか組めないようになりました。まあ、ずっとシングルスピードで使う人には関係ない話ですし、１ｘ１１にするにしてもフルアウターで特に不便はないので良いのですけどね。
私の使っている2018モデルは一部インナーワイヤーが露出する方法でシフトワイヤーを組付けることも可能ですが、実際、私もフルアウターで１ｘ１１にしてるので。
■後日追記：
2021モデルからフレームが共通化されておりました。様々な変更はその影響でしょうね。
■BOMBTRACK ARISE 2021モデルは”買い”か！？
「”買い”か？」
…と問われましても、そもそもまだ日本に輸入されるかどうかも分からないわけでして…（苦笑）。
でも、従来からの ARISE に少なからぬ興味を覚えている方でしたら、（価格にもよりますけど）買って損はないと思いますよ。だって、基本コンセプト変わってないし。
私なら、こんな方にお勧めしたいです。
- 一台の自転車を長く愛用したい方：
→丈夫で長持ちのクロモリ。用途に合わせて色々と幅広く自由にカスタムできるので飽きがこない。 - 本気のレースで上位入賞とか自己記録更新とか目指していない方：
→本気でレースで勝ちたいなら、シクロクロスレースモデルの TENSION などにしましょう。ＫＯＭとか取りたい方は、軽量なバイクを買いましょう。スピード以外の自転車価値観をお持ちの方にこそ、ARISE は似合います。 - 自分で自転車をカスタムするのが好きな方：
→カスタム好きには弄り甲斐のある自転車です。 - アスファルトの上だけでは飽き足らず、脇道砂利道に突撃してしまう冒険心旺盛な方：
→アスファルトの上を走るだけで満足なら、素直にロードバイクを買いましょう。でも、変な脇道についつい入っていってしまう冒険心旺盛な方にとっては、ARISE 良いと思いますよ。 - 一台の自転車で何でもやってみたい好奇心のある方：
→近所への買い物、通勤通学、ポタリング、近隣路地探索、林道探検、ロングライド、キャンプツーリング、草レース、ブルベ、etc...。一台で何でもできます。
他にも…、
ドイツ好きの方、マイナーブランド好きの方、他人と違う個性を大切にしている方、などなど。
そんなわけで、日本ではなかなか実物を見る機会の無い BOMBTRACK ARISE なのですけど、意外と興味ある方いるんじゃないでしょうか？ もし見かけたら、怪しまれない程度に離れて遠目にじっくり観察してみてくださいな。
