kirdina’s(裏)自転車秘密工房

「ordinaM3を買ってみたブログ」の作者による秘密の自転車工房です。濃い部分だけ抽出してみました。

チューブレスレディータイヤを2シーズン使ってみて、素人ながら現時点で感じている長所短所などをまとめておきました。

 自転車用のチューブレスレディータイヤ。私は愛車 BOMBTRACK ARISE-2 2018 用として2セットを運用しております。

 

 1つは、WTB の提唱するロードプラス規格の始祖、WTB HORIZON 650Bx47

 

 こちら、組付けたのは 2019 年の1月頃の話。

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 そして、もう1つは、Continental Grand-Prix 5000 TL 700Cx28

 

 こちらの組付けは、2019 年の10月頃。

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 そんなわけで、チューブレスレティ―タイヤを使い始めて約2シーズンが経ちましたので、素人ながら現在感じていることをまとめておこうかな…と、思います。チューブレスレディータイヤを検討中の方の参考になれば幸いです。

 

 

 

 

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WTB HORIZON (650Bx47)

 

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Continental Grand-Prix 5000 TL (700Cx28)

★チューブレスレディーとは:

 通常のチューブドクリンチャータイヤと異なり、タイヤ内部にチューブが無く、代わりに空気と共にシーラント剤という液体が少量入っている構造のタイヤのこと。チューブレスレディーに対応したタイヤ、バルブ、リム、リムテープが必要。

 

■チューブレスレディータイヤの長所短所ざっくり箇条書き:

 長所は青太字、短所は赤太字で、ざっくり箇条書きしていきますね。

 

  1.  タイヤ、チューブなどなどトータルで考えたとき、シーラント剤が必要であることを考慮しても、チューブレスレディータイヤは重量的に軽いです。特に太いタイヤほど顕著に軽くなるので恩恵が大きいですけど、しかし、ロードバイク並みに細いタイヤですと軽量化効果はあまり無いかもしれません。細いタイヤですと、もともとチューブもそんなに重くないですしね。軽量チューブを使っているなら猶更です。

  2.  新品購入時、ホイールへのタイヤの組付けがとても面倒です。慣れてしまえばどうってことないのかもしれませんが、「ビードが上がらない」、「シーラント剤で床が汚れた」、「すぐに空気が抜ける」…などなど、よくある初期トラブルがいっぱい。好奇心旺盛な趣味人にとっては楽しいこれらのイベントも、そうでない方にとっては面倒以外の何物でもないですよね。
     余談ですが、シーラント剤はよくよく念入りに十分振り混ぜてから使いましょう。シーラント剤は乳液状になっており細かい繊維が含まれています。静置状態ではこの繊維が底に溜まっています。上澄みだけタイヤに入れても効果はありません。私は3分間以上は振り混ぜてからすぐに注入用小瓶に分け入れ、すぐにタイヤに注入しております。

  3.  リム打ちパンクの心配がないので、低圧で運用できます。したがって、乗り心地が良いです。ファットバイクグラベルバイク、オールロードバイクであれば、これが非常に大きなメリットになる局面が多々あることでしょう。しかし、きれいな舗装路をロードバイク高速走行するときはそもそも低圧にしない…という方にとっては意味ないかもしれません。

  4.  日常的な空気圧管理が面倒です。全く走っていなくても、最低でも2週に1回は必ず空気を入れないとダメみたい。ただでさえ、チューブドクリンチャーよりも減圧が速いチューブレスレディー。もしオフシーズンなどに2か月も放置してしまったら、空気が抜けきってビードが落ちてしまいかねません。そうなってしまったら、再びちゃんとタイヤが膨らんでくれる保証はありません。まあ、タイヤに癖がついているので新品組み付け時よりは簡単ですけどね。

  5.  数カ月に1回、最低でも半年から1年に1回はシーラント剤の補充が必要です。頻度は使用状況によります。まあ、1回に補充する量は 30ml から 60ml 程度ですので、費用的には大したことありません。しかし、当然ですがシーラント剤補充の際にはいったん空気を抜きますので、その際にビードが落ちる可能性があります。そうなってしまったら(以下、前項下線部と同文にて省略)。

  6.  タイヤローテーション*1などはできないと思った方が良いでしょう。中にシーラント剤が入っていることもあって、そもそもチューブレスレディータイヤを取り外すのが面倒ですし、再び組付けて上手くいく保証もありません。

  7.  希に原因不明の空気漏れが発生することがあります。希ですから滅多に発生しません。何等かの原因は必ずあるはずなのですが、原因特定は難しいので原因不明です。シーラント剤を追加する、バルブを新品に交換する、などして様子を見るしかありません。

  8.  空気を入れる際には、バルブを4時または8時の位置にして行うのが良いようです。無思慮に空気を入れると、ポンプ取り外し時にシーラント剤がプシャっと噴き出してきたりします。「内部に液体が入っている」…ということを意識して、取り扱いには常に細かい配慮が必要です。

  9.  リム打ちパンクだけでなく、チューブ摩耗パンク、突き刺しパンクなどを含めて、パンクのリスクが非常に低いです。それはもう「絶対にパンクしない」と言っても過言でないほどにパンクしません。リム打ちやチューブ摩耗は原理的にあり得ませんし、もしも画鋲のようなものが刺さってしまっても、内部のシーラント剤が即座に穴を埋めてくれますので、減圧した分の空気をポンプで入れてあげるだけでライド継続可能です。パンク修理が苦手な方にはこの上ないメリットですし、時間の節約にもなります。しかし、シーラント剤で埋めきれないほどの大きな穴や亀裂ができてしまった場合はちょっと面倒です。まずタイヤをリムから取り外し、中に溜まっているシーラント剤を全て拭き取ります。さらにチューブレスバルブを外し、予備チューブを入れてチューブドクリンチャーと同じように組付ける必要があります。したがって、チューブレスレディータイヤでも予備チューブ等パンク修理用品一式の携行は必須です。
     なお、応急処置的にチューブレスレディータイヤに空いた大きな穴を埋めるキットが複数のメーカーから販売されています。しかし、これはあくまでも応急処置ですので、帰宅したらタイヤは廃棄でしょう。

  10.  シーラント剤がリムを腐食させるという噂があります。私はまだ経験ありませんので、本当かどうか知りませんけどね。

  11.  ひとたび自分で組んでみれば誰でも気づくことだと思いますが、チューブレス用バルブの取り付け構造が非常に繊細です。こんな単純で華奢な仕組みでよく空気漏れませんよね。原因不明の空気漏れの多くはこのバルブが原因ではないかと疑っている私です。

  12.  タイヤレバーは必ずチューブレス対応のものを使いましょう。ビード部分が傷つくとチューブレスレディータイヤにとっては致命的な損傷になります。

 

 …と、まあ、こんな感じでしょうか。後日気付いたことがあれば、追記していきたいと思います。

 

■結語:それでも私はチューブレスレディーを使います。

  さて、率直な話を書いてみましたけど、どのように思われたでしょうか。なぜか赤太字が多いような気がしますが(苦笑)。「なんだか面倒そうだな…。俺はチューブドクリンチャーで良いや」…と思われた方も多いかも?

 でもね、青太字で書いた3大メリット、すなわち…、

  1. 軽い(重量、走行感ともに)
  2. 乗り心地が良い
  3. パンクしにくい

 …というこの3つ。これが非常に大きいので、私はチューブレスレディーがとても気に入っております

 一方で、赤太字で書いたデメリットですけど、そのうち特にやっかいな物は作業の習熟と十分な配慮でカバーできる部分が多いと思うのです。ぶっちゃけ、いっぺんキチンと組めてしまえば、大きな問題は…あまりありません。

 つまり、一言でまとめると…、

「上手に使えば恩恵が大きい」

…というわけ。

 

 さてさて、皆様、どのように思われたでありましょうか。

 チューブレスレディー、私はお勧めいたします。

 

 

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参考資料(1):実際に私が使っているチューブレスレディータイヤ関連製品

 

●後日追記:

新たにこちらのタイヤが増えました。

kirdina.hatenablog.com

 

●後日追記その2:

更に、タイヤが増えました。今度はファットバイクです。

kirdina.hatenablog.com

 

 上のシュワルベのバルブもダメじゃないのですけど、その後、ファットバイクでこちらの製品を使ってみたところ、これが非常に良かったのです。こっちがよりお勧め!

 

 

 

 

NoTubes Tire Sealant /32 fl oz(ST0062)
 

 

 以上の組み合わせで、我が家では上手くいってます。

 

参考資料(2):これもあった方がよい?

 今後はこういうのも用意した方が良いかなぁ? 私は使ったことないですけど。

 

 

  タイヤブースターは無くても、組み付けできましたけどね。(追記あり

 

●後日追記:

 太めのタイヤの組付け、ビード上げが上手くいかないとき、タイヤブースターの威力は絶大でありました。やっぱりタイヤブースターは持っていた方が安心ですね!

 

kirdina.hatenablog.com

 

参考資料(3):チューブレスレディータイヤはどのくらいパンクしないのか、パンクしたらどうするのか?

 百聞は一見に如かず。こちらの動画が分かりやすいです。でも、この動画の後半、シーラント剤で埋まらない穴が開いたときは、素直にチューブ入れた方が更なるトラブルに見舞われる可能性が低くて、安全安心だと思うのですけどね。

 


まだチューブで消耗してるの?

 

 

*1:タイヤローテーション:前輪と後輪とではタイヤの摩耗の速さが違うので、これを均等にするため、定期的に前輪と後輪のタイヤを入れ替えること。