2020.05.14 に入手したハンドルバーは、Ridefarr AERO GRAVEL ALLOY という珍妙形態のハンドルバーでした。
こいつを取り付けて走った2020年。そろそろ雪も降り積もり始めてシーズンオフか…という頃ですので、1年使ってみたレビュー的なことでもしてみようかと思うわけであります。ですけど、まあ、素人の言うことですので、ほどほどにお付き合いくださいませ。
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それでは、始まり始まり~!
Ridefarr ってどんなブランドなのかって?
そもそも日本じゃほとんどの人が聞いたこともないブランド名、Ridefarr 。正式名称が「Ridefarr」なのか、それとも単に「FARR」なのか…? 私もよく知らないのですけど、実は(笑)。
とにかく、まあ、こちらのHPをご覧くださいませ。
あちこち情報を調べてみた感じですと、オーストラリアを拠点とするブランドで、アドベンチャーレースなどに特化したウルトラディスタンス(超長距離)系を得意とするブランドのようです。
AERO GRAVEL ALLOY ってどんなハンドルバーなん?
そんな Ridefarr の AERO GRAVEL ALLOY とは、こちらのハンドルバーです。
はい、変な形ですねぇ~(笑)。ご覧の通り、通常のグラベル系ドロップハンドルの中央に台形のバーが付いているのが特徴。この形を見た瞬間、「あ!こういうハンドルバーが欲しかったんだよ!」…と、ビビッときてしまった私なのでした。
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素材は ALLOY 6061-T6 製。
サイズ展開は、ブラケット部の横幅で、42cm、44cm、46cmの3種。ちなみにカタログ重量では、各、480g、500g、520g。まあ、重め(笑)。
ちなみに私が購入したのは 42cm サイズ。なぜこのサイズにしたかというと、もともと使っていたハンドルバーと横幅が近かったから。
フレア角は25度ということですので、かなり末広がり形状。中央の台形バーは、ブラケットに対して若干上向きに付いております。
このハンドルバーを採用する以上は、この中央の台形部分をどう有効利用するかがポイント。ここを使わないなら意味なしですよね。バーテープは巻きにくいですけど…(苦笑)。
ちなみに、海外での評価がありましたので、こちらをどうぞ。
日本でこのハンドルバーを使っている人はかなり珍しいと思うのですけど、一応、数は少ないものの正規流通してますので、使っている人がいないわけでもない。
あ、私と同じハンドルバー! https://t.co/HGEIo2W9SA
— Kirdina (@ordinaM3user) 2020年11月22日
AERO GRAVEL ALLOY 私なりの使い方
さて、そんな AERO GRAVEL ALLOY bar、この1年で固まってきた私なりの使い方をご紹介。
ブラケットポジション
まずは、普通のブラケットポジション。ブレーキレバーが握りやすいのがよろしい。
普通、ドロップハンドルというとこの場所を持つ時間が長いと思うのですけど…、実は私、このハンドルバーにして以来、この部分を持つ時間がほとんどなくなりました。私がこのブラケットポジションを持つのは、①下り坂、②砂利道、の主に2つ。
下ハンドル
ドロップハンドルですので、もちろん下ハンドルもあるのですけど…。
私、この部分を持つことは滅多にありません…っていうか、下ハン持つなんて全くありません(笑)。完全にただのライトマウントになっている私の下ハンドルなのでした。
ブラケットのちょっと後ろ
ブラケットのちょっと後ろのとこ。ロングライドで時々ここを持つ人はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。少しだけ前傾姿勢が弱くなって、楽なんですよね。私も、この場所、持たないわけでもないのですが…、まあ、あまり使いません。
ハンドルトップのフラット部分
普通のドロップハンドルで一番楽な姿勢といったら、ここですよね。
確かに前傾姿勢が弱くなって首も背中も腰も楽なのですけど。それは否定しませんけれど、皆さん、この時、肘(ひじ)ってどうなってます? 私の場合、肘は外向きになりますけど、たぶん皆さん一緒ですよね? 私の腕の構造が変なわけじゃないですよね?
この「肘が外向き」…というのが、どうも居心地悪いと感じる私なのです。人体構造上、自然じゃない。肩にも力が入りがち。皆さん、どうですか?
なので、親指をバーの上に出して他4本の指だけで握ってる人も多いんじゃないでしょうか。でも、それってしっかりハンドルバーを握れなくて不安定ですよね。路面の不意の凹凸でハンドルバーから手が離れそうで、不安じゃないですか?
台形の根元
そこで、この上の写真の位置なのです。親指と人差し指で台形の根元部分をしっかり持ち、手のひらは上ハンドル部分へ乗せております。これなら不意の凹凸があってもハンドルバーから手が離れません。
ちょっと試しにやってみてもらうとすぐに分かると思うのですけど、この持ち方、肘が自然に斜め後ろを向くのです! 外に張り出しません。この角度が人体構造上とてもナチュラル! 自然に腕を前に出すと、こんな角度の手首、肘、肩になりますよね。いかがですか?
特に 100km 以上の距離を走るときなど、この場所が非常に楽チンなものですから、ライド中のかなりの時間、ここを持っている私です。
実は、これがこのハンドルバーを購入した直接の動機です。当初から、この位置をホームポジションとすることを計画しておりました。そのため、補助ブレーキレバーを取り付け、シフターもあえてSTIレバーを使わずサムシフターにするなどして、この台形斜辺位置でブレーキ操作、シフト操作が完結できるようにコクピットを編成した私なのであります。
台形の斜辺下部
更に台形の斜辺に手を伸ばすと、上の写真のようになります。斜辺を親指、人差し指、中指あたりで持ち、手のひらはまだ上ハンドルに乗せております。
基本的な考え方は前述のとおり。人間の腕の構造上、自然で楽なポジションです。
たぶん、世の中に下のような製品があることからも、人体構造上、手のひら「ハの字」が楽なんだろうと思うのですよね。
そして、腕がハンドルバー中央部へ寄っていることにもご注目いただきたいところです。空気抵抗を考えたとき、腕はブラケット部にあるよりも、体の前面にある方が有利なのだそうです。
その辺の空気抵抗について、詳しくは下の雑誌の特集記事「巡航スピード向上計画」をお読みください。
台形の斜辺前部
更に手を前に持っていきます。上の写真の状態までくると、5本の指で斜辺を持つ形になります。
こうなると、雰囲気としてはコレに近いかも。ただし、これらはハの字でなく平行棒ですが。
手のひら「ハの字」で腕の各関節が楽なのは前述のとおり。腕が体の前面に出て、空気抵抗低減というのも前述のとおり。さらに、前傾姿勢が少々強まっておりますので、更に空気抵抗を減らせます。
ただし、ここまでくるとステアリングが結構不安定になることは否めません。砂利道や荒れた路面では使わない方が賢明かと。細かいカーブが連続するようなコースも向いてない気がします。シングルトラックの林道とかもダメです。この場所が使えるのは、キレイに整備されたアスファルト舗装路で、自動車交通量の少ない、道幅の広い道路のみ…と割り切った方が良いかも。
台形前端部
私、台形の前端部を持つこともあります。前後位置としてはブラケット部と同じくらいなのですけど、腕が体の正面に入るため空気抵抗は少なく済みます。上の写真では少々わかりにくいですけど、この場所を持つと小さく屈むような姿勢をとれるのです。
まあ、こういうのに比べると、まだ空気抵抗は大きいとは思いますけどね。
それでも、強い向かい風を受けている中では、私でも体感できるほど効果大なのであります。もちろんステアリングの安定性には欠けますので、路面その他の環境が整っている時を選んで使っております。
でも、私がサイコンをステムに取り付け、台形部分にはライトも何も付けていない理由がお判りいただけたんじゃないでしょうか。せっかくの特徴的な台形バー。ここをただのライトマウント、サイコンマウントにしか使わないというのは、本当にもったいないと思う私です。
まとめると
そんなわけで、私なりの見解をまとめますとですね。
Ridefarr AERO GRAVEL ALLOY handlebar は、
…の3つの両立を目指したハンドルバーである!
…と、まあ、そんな感じに思っている私であります。うん、当たり前ちゃぁ、当たり前(苦笑)。
ウルトラディスタンス(超長距離)系を得意とする Ridefarr。それだけ長い距離を走れば、当然ながら様々な路面環境に出くわします。すると、上記3つを1つのハンドルバーで両立させるというのは、こういうブランドでは自然な発想に違いありません。
そして、それは「多用途性」を旨とする BOMBTRACK ARISE にも共通するものがあると思うのです。そういう意味では、このハンドルバーは BOMBTRACK ARISE 向きのハンドルバーに違いないと思っている私です。
率直に申しまして、贔屓なしに、このハンドルバーをかなり気に入っている私であります。ブルベ需要とかあるんじゃないかと密かに思っている私ですが、でも私、まだブルベ走ったことありませんので、偉そうなことは申せません…(苦笑)。
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おまけ:私のハンドルバー装備をご紹介
最後に、写真でご覧いただいた私のハンドルバーを構成しているパーツ群を挙げておきますね。
バッテリー長持ちが魅力の GPS 付きサイコン。白黒の味気ない画面表示ですけど、その分だけバッテリーが長持ちしてると思うと不満なし。ブルベ挑戦用に購入しましたが、来年こそいよいよ本番か!?
シフター、ベル、補助ライトを搭載させたマウント。しっかりした作りです。
使う機会は全くない自転車用ベルですが、道交法上の義務なので…。扇工業のベルは良い音がします。
シフターは microshift 製のサムシフターを採用。ディレイラーが SLX なので、MTB用のシフターです。こんな単純な物なのにメチャ高いですけど、その分、しっかり動作してくれます。耐久性も高そうです。サムシフターは指先感覚で今何速に入っているか分かるので、意外と実用的で便利なんですよ、夜間とかトンネル内とか。
シフターを中央部へ持っていったので、メインのブレーキレバーはシングルスピード用のこちら。ときどきSSCXになる我が BOMBTRACK ARISE ですので、STI じゃダメなのです。
補助ブレーキレバーなのに実際のライドでは使用頻度の高いメインレバー。
台形の出っ張りがあるハンドルバーですので、通常の2倍近い長さが必要なバーテープ。こちらの製品が弾力、グリップともにお気に入り。
ステム脇に取り付けたポーチには、スマホを入れたり、ゴミを入れたり(笑)。便利に使っております。こちらの製品は非常に安価で素晴らしい! 某ブランドの同種製品の10分の1くらいの値段。
LED懐中電灯を取り付けるためのマウント。ただ嵌め込むだけなのですけど、しっかり取り付けできます。これまでのところ脱落したことはありません。
LED懐中電灯を前照灯にすると、光量たっぷりで安心安全です。見た目と重量が気にならないならお勧め。LED懐中電灯はブルベに使っている人も多いと聞きます。夜間走行用のメインライトにぴったりです。左右の下ハンドルに1対を装備。交換用バッテリーは18650ですので場所をとりません。附属のアダプターで単四乾電池3本でも点灯できます。
そんなわけで、私のハンドル周り装備でありました。何かのご参考にしていただけたなら幸いです。