チューブレスレディータイヤを組付けようと思ったけど、今回はビードがどうしても上がらず仕方なくタイヤブースターに頼ってみたら、あっさり組付けできちゃって「やっぱり専用工具って素晴らしい!」と感動した話。
新しく購入してみたチューブレスレディータイヤ、WTB BYWAY 44 (700Cx44)。
チューブレス用バルブが配送中に欠品してくれちゃったため、チューブを入れての仮組状態で止まっておりました。
やっとこさ、チューブレスバルブが届きましたので、さっそくチューブレスレディーで組付けてみることにしたのです!
■もくじ:
チューブレス用バルブが届いたよ!
届いた製品は、Chain Reaction Cycles のオリジナルブランド Prime のこちら。
まあ、隣のお菓子は気にしないでね(笑)。
さて、届いたバルブを手に取ってみると、こんな感じ。
うん、普通のよくあるチューブレス用バルブですね。可もなく不可もなく…って感じ。
今回はビードが上がらない!(泣)
そんなわけで、普通にチューブレスの組み立てを開始してみた、そんな 2020.11.25(水)の夜。
まず、仮組みしていたタイヤとチューブをリムから取り外し、リムにチューブレス用バルブをしっかり取り付け。
それからタイヤをはめて、空気を入れてみます。いつものように、普通のフロアポンプで。
これまで、私の3回(前後3セット)のチューブレスレディー組付け経験によりますと、多少の苦労はあるものの、これでビードが上がるはず…でした。
…しかし…。
今回は、なぜかビードが上がらない!!!
なぜだーっ!!
シーラント剤を入れ、漏れないように気を付けながら内部に馴染ませ、それからチャレンジしてもダメ…。
そんな1時間の苦労の跡が、下の写真(苦笑)。
あかん…、ビードが全然上がる気配なし…!
シーラント剤も使ったのにね。前ホイールに 120ml、後ホイールには 60ml。
うーむ…どうしたものか…。
専用工具に頼ってみることにした Schwalbe TIRE BOOSTER
そこで、専用工具に頼ってみることにいたしました。色々とチューブレスのビード上げ用の工具がある中で、私が選んでみたのはこちら。
タイヤ関係で私は最も信頼しているドイツメーカー、Schwalbe のタイヤブースターであります!
2020.11.28(土)に到着。早速、開封! 中身はこんな感じ。
説明書は多言語版になっておりまして、日本語もちゃんとあります。
はい、こんな感じね。
というわけで、機材セットアップ。
「フロアポンプ → タイヤブースター → チューブレスバルブ」
…という風に取り付け。
仕組みはシンプルです。まずタイヤブースターのバルブツマミ(上の写真の青いツマミ)を CLOSE にした状態で、フロアポンプからブースタータンクにエアを入れます。内部の圧力が高まったところで、バルブツマミを OPEN !…とすると、ブースタータンク内のエアがタイヤに勢いよく入る…という仕掛け。
最初、チューブレスバルブのバルブコアを取り外さず、そのまま接続してみました。ブースタータンクを 8bar まで加圧してやってみたところ…、あれれ? ビードが上がりません…。これはハズレ引いちゃったか…?っと一瞬思いました。
そこで、次はチューブレスバルブのバルブコアを取り外し、ブースター附属のアダプターを取り付けて接続。この方が勢いよくエアがタイヤ内に流入するはずです。で、ブースタータンクを 10bar まで加圧して実施してみたところ…、
シュッ!…っと、静かな音がして、パパン!…っとビードが上がりました!! やった!
何かもっと恐ろしい破裂音的なやつが鳴り響いたりするのかと思っていたのですけど、そんなことなかったですね。至って静かでした。
空気圧の変化ですが、10bar まで加圧した状態から、ビード上げ後は 2.5bar くらいでした。なので、これでタイヤが破裂するなどの大惨事になる危険性は低いでしょう。
その状態のままで、ビードが均等に満遍なく上がっていることを確認。ちょっと上がり切ってない部分は指で押して修正。そのままポンプで 3bar まで加圧して様子を見ましたが、無事にビードが上がったようです。
さて、タイヤブースターを静かにチューブレスバルブから取り外します。バルブにコアが付いておりませんから、当然ですけどタイヤから空気が全て抜けてしまいます。しかし、チューブレス用のリムとタイヤですので、いったんビードがきちんと上がればリムとタイヤが噛み合って簡単には外れません。
再びバルブコアを取り付けて、あとは普通にフロアポンプで空気を入れていくと、出来上がり!!(今回は事前にシーラント剤を入れてありましたので、これでOK。シーラント剤を入れてない場合は、バルブコアを戻す前に入れる感じですね。)
前輪、後輪とも、あっさりとビード上げに成功であります!! やっぱり専用工具って偉大だぁ~!!
安定化作業
さて、チューブレスレディータイヤのビード上げが終わったら、安定化作業であります。
タイヤを組付けたホイールを手に持って、裏返したり回したり、グルグルとシーラント剤を内部に行き渡らせます。
チューブレスタイヤと違って、チューブレスレディータイヤは完全な気密性能は持っておりません。実はちょっとずつ空気が漏れます。それをシーラント剤で塞いで気密にする仕組みがチューブレスレディー。
で、グルグル回しておりますと、あ、前輪のこんな場所に穴あいてる!!!
いやいやいや、これ、完全に穴あいてるじゃないですか!! この製品にもともと不備があったのか、それとも私が弄ってるうちに開けてしまったのか? なんか前者っぽいですけど?
まあ、このくらいの穴ならシーラント剤で普通に簡単に塞がりますから、別に気にしませんけどね。こういう場所を下にして、入念にフリフリ。すると、実際、1分もかからずにこのエア漏れは止まりました。シーラント剤ってすごい!
他にも、このビード部分にわずかなシーラント漏れが確認できました。下の写真の小さな水滴みたいのね。
これは、前輪、後輪とも、タイヤの全周に渡って所々ありましたので、こういう製品仕様なのでしょうか。こちらもシーラント剤で簡単に塞がるエア漏れですから、まあ、良いですけど。
とりあえず、シーラント剤の漏れ出しが止まったところで改めて空気を入れなおし、それから三本ローラーを15分ほど回したら、安定化作業完了であります!
こんな感じね!
こんな太いタイヤも似合っちゃう、BOMBTRACK ARISE 2 2018 って素敵!…っと、親バカしてみます(笑)。
チューブレスレディーで軽量化されるのか?
さて、今回はちょっと重量を比較してみます。
今回のタイヤとホイール(前輪、ディスクローター付き、QRスキュワーなし)について、普通にチューブドクリンチャーで組んだ時の重量は 1610g だったのですけど、チューブレスレディーで組付けた場合の重量は、1500g !!
私は割とシーラント剤をたっぷり入れてるのですけど、それでも 110g の軽量化。後輪も同様と考えるなら、前後合わせて 220g の軽量化。当然ですけどこれは外周部の軽量化ですので、その効果は大きい…かも? 時間が経過して内部のシーラント剤の水分が飛ぶと、もう少し軽くなることでしょう。
実際に走ってみた感じは軽くなるのか?…というのが私も気になるのですけど、私の住む北海道はすっかり雪景色のため、屋外での試験走行はできないのが残念。しかし、三本ローラーを回してみた感触では、明らかに走りが軽くなったように感じます。
今回、タイヤブースター無しではビードが上げられなかった原因
なぜ今回はタイヤブースターのお世話にならざるを得なかったのか?
おそらく…ですけどね。タイヤの内部容積の差が関係しております。これまで、普通のフロアポンプでビード上げに成功したタイヤは、次の通り。
- Continental Grand Prix 5000TL (700Cx28)
これを前後セットで2回(計4回)成功 - WTB HORIZON (650Bx47)
こちら前後セットで1回(計2回)成功
しかし、今回のタイヤは、これらより更にエアボリュームの大きい、700Cx44 の WTB BYWAY 44 。
一方、手動のフロアポンプから供給される単位時間あたりの空気量は、どんなに汗をかいてもそれほど増えないでしょう。つまり、たぶん「これまでよりタイヤ容積が大きいため、フロアポンプでは一気に内部の気圧を十分に上げることができなかった」…というのが原因なんじゃないかと思っております。
いかがでしょうか? まあ、タイヤとリムの相性とか、各製品の個体差とか、色々あるとは思うのですけどね。
この推測が正しいとするなら、より太くて大きなタイヤほど、タイヤブースターのような専用工具が必要になる可能性が高いということになりますね。
やっぱりチューブレスタイヤを運用するなら、タイヤブースターは持っていた方が良いのかな。
結語:
そんなわけで、タイヤブースターのおかげで、無事に WTB BYWAY 44 のチューブレスレディー組付けが成功いたしました。その後、何回も三本ローラーを回しておりますけど、指で押してみた感じ、顕著な空気圧低下は見られません。どうやら、しっかり組付け成功したようです。
こうなると、やっぱり屋外を走ってみたくなるのですけどねぇ…。外は雪。試験走行は春までお預け。それまでは、三本ローラーで我慢するといたしましょう。