2021.02.28 に納車された念願のファットバイク、CANYON DUDE CF 8 2021。
高い走破性が特徴のファットバイクですが、当然ながらあのデカいタイヤは重い…。そしてその重いタイヤを質と量の両面から軽量化するカスタムが、チューブレス化。*1
このファットバイクには定番のカスタムを、自力で行ってみましたので、そのレポートであります。
■もくじ:
使用した機材等:
これまで、700Cx28、700Cx44、650Bx47 と3種類のタイヤで合計4組のチューブレス化を成功させてきましたが、今回の 27.5"x3.8" という巨大タイヤは初めてのこと。
作業したのは 2021.03.28(日)の午後。ちょっとドキドキワクワクなのですが、機材等はそれなりに揃ってきてしまっておりますので、それなりに自信もあったりして。
で、今回、新たに入手したパーツが、こちらの2つであります。
リムテープ:
穴あき軽量化されているファットタイヤ用のリム。その穴はリムストラップと呼ばれる丈夫な帯で塞がれているわけですが、そのままではチューブレス化できません。この部分を密閉するために使われるのが、リムテープ。
専用のテープが各社から販売されておりますけど、これが結構お高い…。それで、海外のマニアなどを中心にホームセンターなどで売られている安価なダクトテープなどで代用する試みが行われておりますけど、…まあ、私は今回初めて挑戦しますので、ちょっと高くても専用テープを購入してみました。材質を確認してみて、他で代用できそうであれば、次回から代用品を使ってみることにいたしましょう。
さて、今回用意したのが、こちら。
約80mm幅のリムに対応するため、幅78mm のテープを購入。
説明書を見てみると、こんなことが書いてありますが、チューブレス化の一般的な内容ですね。
テープ自体はこんな感じ。
思ったより薄い半透明のテープです。もっと柔らかいゴム状のものを想像していたのですが、意外と固いですね。固いですけど、引っ張ってみると千切れることなく、じんわりと伸びます。かなり丈夫そうです。粘着力は弱そうですけど…、こんなんで大丈夫なのでしょうか? まあ、大丈夫なんでしょうね(苦笑)。
チューブレスバルブ:
これまで、シュワルベやCRCプライムなどのチューブレスバルブを使ってきましたが、今回はエフェットマリポサを使ってみます。
組付け後の写真が下なのですけど、シュワルベやCRCプライムの物ってなんか華奢な感じで頼りないと思っていたのですが、これは頑丈そうで好感触ですね。
前輪からチューブレス化の作業開始:
さて、では前輪から作業開始です。
まずは、一応、重量を測ってみます。チューブレス化前の上の写真の状態の前輪で、 3410g でありました。わお!さすがファットタイヤ(笑)!!
チューブの空気を抜いて、タイヤを外します。使用するのはいつものシュワルベのタイヤレバー。
普通にタイヤを外してみたところが、下の写真。
リムストラップを確認してみたら、すぐに異常発見。あらら…、なんか皺が寄ってます。CANYON さんの組付け、雑だなぁ…(苦笑)。
このままリムテープを貼ってしまうと問題が起きそうですので、ちょっとリムテープを外して修正できないかと思ったのですが、折れ目を完全に直すのは無理そう。
他にも、リム穴部分が膨らんだ感じに癖がついているのですが、このままリムテープを貼って大丈夫なモンなんでしょうか? わかりませんけど、作業続行してみます。
上の写真からも、リムストラップが偏って取り付けられていたことがわかります。できるだけリムストラップをリム中央に皺なく矯正して取り付け。
ちなみに、このホイール、DT SWISS BR 2250 CLASSIC 27+ (前輪)ですが、一応、重量を測ってみると、1350g ありました。ファットバイク用27.5"ホイールとしては、軽量な方? どうなんでしょ?
さて、リムストラップを確認していてもう一つ気が付いたのは、下の写真。もともとリムストラップがズレて取り付けられていたため、リム側面に掛かってた部分が縦に癖がついております。
このままリムテープを貼ってもちゃんと貼れないのは明らかですし、リムとリムテープの接着面積を十分に確保しなければならないでしょうから、リムストラップを一部切除しました。普通にカッターナイフで切れます。
ビードベッドよりも更に数ミリ内側まで露出させました。
さて、それではリムテープを貼っていきましょう。なるべく皺が寄らないように密着させていくのですけど、うーむ、こんなんで良いのでしょうか?
両側のビードベッド部分にしっかり隙間なくテープが密着するよう指で擦り付けました。リム中央部分は凹んでますからテープがしっかり着かないのは…仕方ないのかなぁ、分かりませんが。
全体を二重に貼り付け。バルブ部分だけバルブの前後各10cmほどは三重に貼り付け。
バルブ穴の部分に穴をあけ、チューブレスバルブを挿入して取り付け。
エフェットマリポサのチューブレス用バルブですが、これ、すごいシッカリした作りで良いですね! 特に基部のゴム台座部分とバルブナットがシッカリしておりまして、ぐらつきが非常に少ないのです。これまでシュワルベやCRCプライムの製品を使ってきましたが、今後はコレ一択だな。
せっかく貼り付けたリムテープを痛めないように注意しながら、タイヤを取り付けたところが下の写真。まだビード上げ前。
案の定、普通にフロアポンプで空気を入れただけではさすがにビードが上がりませんでしたので、コイツの出番です、タイヤブースター。
バルブコアを外してタイヤブースターを直結。ブースタータンク内を 6bar に加圧してから解放したら…、ポポン!…っと一発で簡単にビードが上がりました。さすがタイヤブースター! これがあるとチューブレス化作業が格段に楽になります。
まだシーラント剤を入れてませんけど、この状態で体重測定してみたら、2990g でありました。前輪だけで 3410-2990=420g の軽量化であります。
ちなみに、取り外したこの巨大チューブの重量は 435g でありました。つまり、リムテープやチューブレスバルブで約 15g ってことですかね。
ここまで、作業開始から約1時間20分。初めてのファットバイクチューブレス化なので、慎重に作業しました。
後輪もチューブレス化:
それでは引き続き後輪もやっちゃいましょう。
作業内容は前輪と同じ。
そして確認してみたら、前輪ほど酷くはないもののリムストラップが偏っていて皺になっていたのも同じ(苦笑)。おいおい CANYON さん、見えない場所だからって手抜き作業しないでよね。
リムストラップをできるだけ中央に皺なく矯正したら、リムテープの接着面を確保するためにカッターナイフでリムストラップを一部切除してビードベッドを空けたのも、前輪と同じ。
下の写真。リムストラップを切除してビードベッドとその内側数ミリを空けたのが左側。このあと右も同様に切除。
リムテープの貼り付けは、こうやって両脚にホイールを挟んで作業するとやり易かったです。
バルブ穴前後10cmだけ三重になるよう、全体に二重にテープを貼り付けて、チューブレスバルブを取り付け。
タイヤを慎重に組み付けたら、バルブコアを外してタイヤブースター直結し、ブースタータンク内を 6bar に加圧して解放。これで一発ビード上げ完了。前輪と全く同じ。
そんなわけで、とりあえずこれで前後ともにチューブレス化の組付けが終了いたしました。
作業開始から合計で約2時間10分。
残る作業は、シーラント剤の注入と安定化作業であります。
その後の様子:
とりあえず、前輪後輪共にシーラント剤なしで 1bar まで加圧成功。そのまま自宅前の道路を数往復することはできましたが、まあ、組付け直後で、かつシーラント剤の入っていない状態で、遠出する気にはなれません。
大相撲の千秋楽で、優勝の行方が気になっていたので、2021.03.28(日)の作業はここまで。
なお、案の定、数時間で後輪の空気圧が低下してフニャフニャに。一方、前輪はシーラント剤なしで翌朝まで約 1bar を維持。すごい!
そして案の定??高安は終盤の連敗で優勝を逃しました。応援してたのになぁ…。照ノ富士、序二段からの復活優勝おめでとう! 感動的でした!
シーラント剤の注入:
翌朝(2021.03.29)、前輪後輪の両方にシーラント剤を注入。 前輪、後輪、それぞれ各 180ml 。使用したのは STANS NO TUBES の一般的なこの製品。
安定化作業:
さて、2021.03.29 も夕方になりまして、前輪、後輪、ともに目立った空気圧低下はないことを確認。そのままポタリングがてらの安定化作業。
アスファルト路面ばかりではありますが、確認しながらの約9km、40分間ほど。普通に問題なく走行できました。
こうしてタイヤを回してあげることで、シーラント剤をタイヤ内部に満遍なく行き渡らせ、微細な空気漏れ部分にシーラント剤が詰まって密封させます。トラブル発生を憂慮して、いつもなら三本ローラーで自宅でやる工程なのですけど、ファットバイクで三本ローラーはちょっとキツイので…。
2021.3.30(火)、朝、指で押して確認してみたところ、空気圧低下は確認できず。というわけで、チューブレス化に一応成功したといって良いかと思われます。
これで完全に空気漏れが収まって完成するようなら、今までで最も上手にできたチューブレス化作業だったということになると思います。
今後、大きな変化があった場合は、また改めて追記していきますね。
結語:
そんな感じで、無事にファットバイクタイヤのチューブレス化が上手くいったようです。これまで、700Cx28、650Bx47、700Cx44 と、色々なサイズのタイヤとリムで計8本のタイヤのチューブレス化をやってきましたけど、今回が一番上手にできたように思います。
その原因ですが、もちろん数を経験したことによる熟練…というのも無いわけでもないとは思いますが、最大の要因は今回使用したチューブレス用バルブではないかと思っております。
やっぱり自転車チューブレス化の空気漏れ発生原因で一番大きいのは、バルブではないかと思っている私。その点、今回使用したエフェットマリポサのチューブレスバルブは構造的にしっかりしていて安心感ありましたね! コレ、本当にお勧めです。これまで使ってきたシュワルベや CRC プライムも悪くはないのですが…実際にちゃんとチューブレス化できてますしね。でも、次回から私はエフェットマリポサを使おうと思います。
そして、やっぱりタイヤブースターは偉大です。チューブレス化を自分でやるなら、これは絶対に持っていた方が良いですよね。
使用した機材等まとめ: