ETRTO って何さ?「エトルト」なんて読むらしいけど、それって日本だけらしいよ? で、このタイヤはこのホイールに付けられますか?
ETRTO。
この単語を見て、「ああ、あれね」…と思った方は、立派なサイクリストに違いございません。普通の人は何のことだかサッパリ…。
なんでも、ETRTO とは、
- E = European
- T = Tyre
- ...and...
- R = Rim
- T = Technical
- O = Organisation
…ということなのだとか。
どうやら、ETRTO は自転車に限った話ではなく、この世に存在するあらゆるタイヤとリムが対象のようですね。その乱立する規格を統一し、あわよくばタイヤ・リム分野におけるヨーロッパの優位性を確固たるものにしようと…いや、まあ、そこまで目論んでるかは知りませんが…、まあ、そういう団体のようであります。
有名どころのメーカーはこぞって参加しているようです。日本のブリヂストンなどの名前もありますね。
ど素人の私が調べてみたことを書いているだけの記事ですので、間違ってたらごめんなさい。
さて、「この世に存在するあらゆるタイヤ」…と言われましても、ここは趣味のサイクリングブログでありますので、自転車の話に絞ります。
乱立するタイヤ・リムの規格表記:
ほんと、自転車のタイヤやリムの大きさは様々であるにも関わらず、更に輪をかけて話を複雑にしているのは、規格表記が色々あること。
- 「ん? このタイヤ、”622”って書いてあるけど、うちの700Cホイールに着けられるのかな?」
- 「650C と 650B って何が違うのさ?」
- 「20インチ? 406? 451? それって何!?!?」
…なんて思ったこと、ありませんか?
この状況を何とか打破し、世界を分かりやすくしよう!…と、そんなわけで始まったのが、ETRTO ということのようです。
ETRTO はビード径と太さ:
で、ETRTO。読み方は「エトルト」らしいですけど、そんな読み方してるのは日本だけらしい?
自転車のタイヤ・リムにはいくつかの種類がございますが、今回対象とするのはチューブドクリンチャー、そしてそれと構造が非常に似通っているチューブレス、チューブレスレディー。W/O とか H/E とかは関係なし。
タイヤサイズの ETRTO 表記:
ETRTO は、2つの数字を「-」(ハイフン)で繋いで表現されます。
タイヤの例:「25-622」
上の例では、「太さ(高さ)25mm、ビード径622mmのタイヤ」を意味しているそうです。太さ(高さ)は良いとして、ビード径とは何ぞや?
ビード径とは、タイヤビード部分の直径のこと。金属ワイヤーとかケブラー繊維が入ってるところの直径。つまりリムと接する部分の直径ですね、簡単に言うと。
ちなみに上の例は、たぶん現在最も一般的なロードバイク用タイヤのサイズ。700Cホイールに取り付ける25mmタイヤを指しております。700Cx25 とか、700x25C とか書かれるヤツです。例えばコレね。
なお、マウンテンバイク界のいわゆる 29er も 622。29x2.1" とか書かれてるヤツね。
タイヤの例:「47-584」
では次に、こちらの例はどうでしょう?
もうお分かりですね? これは、「太さ(高さ)47mm、ビード径584mmのタイヤ」を意味しております。
ちなみにこの例は、このところすっかり定着してきた感すらあるロードプラス規格のタイヤであります。よく、650Bx47 とか 650x47B とか書かれてるヤツですね。これです。
ちなみに、ショップによっては 650x47C とか書いてロードプラスと言ってたりしますが、これはたぶん間違いですよね? 「B」とか「C」の意味、分かってます?
ちなみに、マウンテンバイク界で流行中の 27.5インチというのも、同じく 584 です。
タイヤの例:「50-559」
さて、もうお分かりですね。これは「太さ(高さ)50mm、ビード径559mmのタイヤ」を意味します。
これは、29er や 27.5インチが一般化する前のマウンテンバイクで主流だった規格です。現在でもツーリング系の自転車やシティーコミューター系の自転車などで、「37-559」といったタイヤが使われていたりします。「37-559」は、26x1.5インチ。
タイヤの例:「40-406」
ちょっとしつこい? ですけど、この「406」と次の「451」は、ミニベロを愛用されている方なら必須知識となります。
もちろんこの例の意味は、「太さ(高さ)40mm、ビード径406mmのタイヤ」なのですけど、よく20インチタイヤとして売られております。20x1.5” みたいな小数表記になってることが多いみたいです。
タイヤの例:「28-451」
さて、もちろん「太さ(高さ)28mm、ビード径451mmのタイヤ」なのですけど、こちらも20インチタイヤとして売られているから困るのです…。
しかし、同じ20インチタイヤであっても、ビード径が 406 と 451 では異なりますから、実は大きさが違います。したがって、同じリムには使えません。対応するリムのサイズがそれぞれ異なります。
こちらは、「20x1 1/8」みたいな分数表記になっていることが多いです。
タイヤの ETRTO 表記まとめ:
そんなわけで、とりあえずこのくらい覚えておけば不便ないかな?…というところを挙げてみました。ミニベロ(小径車)や子供車ですと、他に16インチ、24インチなどがありますけど、興味のある方は調べてみてくださいね。
リムサイズの ETRTO 表記:
さて、ここからはあまり見かけないリムサイズの ETRTO 表記についてご紹介。タイヤと同じように2つの数字を「-」(ハイフン)で連結。
リムの例:「622-19C」
なんかさっき見た数字が出てますね、「622」!
勘の良い方はお気づきの通り、これは、「ビード径622mm、リム内幅19mmのクロチェット形状のリム」を指しております。よくあるロードバイク用の700Cリムです。
ビード径については前述のとおり。タイヤビードとくっつく部分の直径を示します。リム内幅とは、リムの内側の幅。読んで字の如し。最後の「C」はクロチェット形状を示しておりまして、このCが付くとリムの端が内側に鈎状になっていることを示しています。なお、この鈎のないストレートリムの場合は「C」が付きません。その場合、単に「622-19」となるそうです。
■「C」についてのよくある勘違い!?:
さて、このクロチェット形状を示す「C」ですが、「700Cホイール」…とか、「700x25Cタイヤ」とかいうときの「C」とは全く意味が違うということに、お気づきでしょうか。 「700Cホイール」の「C」は、「Cサイズのタイヤを付けたときに外径が700mmになるように設計されたホイール」…という意味みたいですからね。
というわけで、リムの例はこの1つで終了~。
で、「このタイヤ、付けられますか?」:
タイヤを新しい物に交換しようと思ったとき、誰しも最初に悩むのは、「このタイヤでサイズ合ってる?」…ってこと。何しろ色々な数字やら記号やらが乱立している状態ですので、悩んで当然。そんな時は、こうしましょ。
ステップ1:タイヤ固定方式が一致していることを確認
チューブラー用リムにはチューブラータイヤしか取り付けできません。
クリンチャーリムにはクリンチャータイヤ、またはチューブレスタイヤ、チューブレスレディータイヤを取り付けることになります。H/E だろうと W/O だろうと現在は関係ありません。
チューブレスリムやチューブレスレディーリムに普通のクリンチャータイヤを取り付けて、チューブを入れてクリンチャーとして使用することは可能です。
もちろん、チューブレスリムにチューブレスタイヤを付けてチューブレスにすることはできます。また、チューブレスレディーリムにチューブレスレディータイヤを付けて、シーラント剤を入れてチューブレスレディーとして使うことも当然OK。
ステップ2:ETRTO のビード径を確認
次に、タイヤの ETRTO 表記のビード径を確認します。
また、20インチ小径車の場合には、現在装着している古いタイヤの ETRTO を確認。「406」か「451」のどちらかになっているはずですので、それと同じタイヤを用意。
ステップ3:新しいタイヤの推奨リム幅を確認
タイヤには「推奨リム幅」というのがあります。幅広いリムに細いタイヤは付けられませんし、幅が狭いリムに太すぎるタイヤは無理があります。
同じくリム側にも「推奨タイヤサイズ」というのがあるのですが…、こっちは確認が難しい。リムに書いてあると良いのですが…。
ステップ4:チューブも確認するのを忘れずに
チューブドクリンチャーでチューブを再利用するなら、チューブの対象タイヤサイズも確認しましょう。場合によっては新しいチューブを用意する必要が生じます。
あとは取り付けるだけ!
さて、ここまでのステップをクリアしたら、あとはタイヤを取り付けるだけですね!
結語:世界平和のためなら、ETRTO があればもう他に何もいらない。
結局、全ては ETRTO の下に統一され、世界に再び平和が訪れた…的な(笑)、そういうことを願ってやまない私であります。もうね、アメリカさんもフランスさんも勝手に独自に規格を作り出しちゃって、面倒すぎますっ!って話です。
…と、まあ、そんな感じでまとめてみたこの記事ですが、正しいかどうかは保証しかねます。何しろ、私だって素人サイクリストに過ぎませんからね。
下のリンクの記事が非常に詳しいです。さすが「ラレー」さん!!…っていうか、アラヤさんかな? ご興味ある方は熟読されることをお勧めいたします。