2021モデルから日本代理店となった RITEWAY の巧みな営業戦略のおかげで、これまでは全くメディアに登場しなかった BOMBTRACK が次々と色々なメディアで記事になるようになりました。
こちらは、Cyclist の記事。
そして、こちらは Cyclowired の記事。
その他色々な記事も、BOMBTRACK の全モデルを概観するものが多いですね。そして、必ずといって良いほどその先鋒として登場するのが、BOMBTRACK ARISE なのであります。
しかし、全モデルを概観するという記事のため致し方ないと思うのですが、ARISE についての説明がどうも十分とは思えません。肝心な部分が抜けてる気がするのです。
そんなわけで、ちょっと補足説明したいと思い立ったわけであります。
- ■BOMBTRACK ARISE の特徴:
- ■ARISE は単なるシングルスピードバイクではない、”最高のカスタムベース”で”末永く付き合える相棒”:
- ■あえてARISEの欠点を言うなら…:
- ■結語:
さて、2018 年春、BOMBTRACK ARISE(2) の 2018 モデルを購入し愛用してきた私。
それ以降、いくつかの変更がありながら、現在まで続いてきた ARISE 。
しかし、基本的なコンセプトに大きな変化はないと思います。
2021モデルについては、既に記事にしましたので…、
ここでは、BOMBTRACK ARISE に通底する特徴について、ご紹介したいと思うのです。
■BOMBTRACK ARISE の特徴:
ドライブトレインの選択肢が広い:
シングルスピード:
メディアによれば、「シングルスピードのマルチツーリングバイク」…などといった表現で紹介される BOMBTRACK ARISE 。確かに完成車はシンプルなシングルスピードで供給されているのですが、それは BOMBTRACK ARISE の最もシンプルな形。
もちろん、そのままの状態で、SSCX*1 的に楽しむのもOK! こんな感じね。これはこれで、楽しい!
BOMBTRACK AT THE "SSCX EC 2016"
ちなみに、上の動画中、複数台の ARISE が登場することに気付かれましたでしょうか? もちろんディスクブレーキ化前の当時のモデルですけど。
1x11:
しかし、実は 2018 モデルから、BOMBTRACK ARISE のフロントチェーンリングには、ナローワイドチェーンリングが標準装備されているのです *2。シングルスピードなら不要なはずのナローワイドチェーンリング。また、リアハブのフリーボディーは2017モデルから 11s 用が使用されています。また、リアディレイラーハンガーもちゃんと付いてます。この3つが意味するところは明らか。すなわち、勝手に 1x11 にしてね!…ということに他なりません。つまり、こんな感じ。私の愛車の写真ですけど。
BOMBTRACK ARISE の 1x11 化に必要な物は、以下のとおり。
- カセットスプロケット
- リアディレイラー
- シフター
- シフトインナーワイヤー、シフトアウターワイヤーなど
なお、ワイヤー受けも最初から準備されておりますので、安心です。
まあ、実際に 1x11 化しようと思うと、シフターをどうするか?…など、色々と熟慮しなければならない問題があるのですけど、それも趣味のうちと思えるカスタムマニアの方にはむしろ喜びとなることでしょう。面倒なら、ショップに任せればやってくれますよ。
2x11:
更に、2017モデルからチェーンステーがSベンドになったことにより、コンパクトクランクを使ったフロントダブルも選択肢に加わりました。普通のロードバイク用のコンポを使って 2x11 なども可能になったということです。
1x11 にするよりも多くのパーツ交換・追加が必要になります。クランク交換が難所かもしれませんね。でも、BBはスレッド式のアウトボードBB(ホローテック2みたいなの)ですので、圧入式と比べてセルフカスタムは容易です。
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そんなわけで、ベルトドライブだけは使えないのですけど、それ以外であれば、ドライブトレインはかなりやりたい放題!…というのが、BOMBTRACK ARISE 。単なるシングルスピードでは語れない多様性があります。
タイヤ・ホイールの選択肢が広い:
完成車は 700Cx35 のチューブドクリンチャーで供給される BOMBTRACK ARISE なのですけど、フレームやフォークのタイヤクリアランスには十分な余裕があります。
このあたりは、リムやタイヤによっても微妙に違いますのでカタログ数字だけでは語りにくい部分ではあるのですけど、まず、一般的なロードプラス(650Bx47)は余裕。下の写真のように私の愛車(2018モデル)で確認済み。
もちろん、700Cx40 くらいも余裕ですし、銘柄によっては 700Cx45 くらいまではイケるんじゃないかとの話もあります。
後日追記:
WTB byway 44 (700Cx44)入りました。
普通、太いタイヤが似合うフレームに細いタイヤを入れると何かスカスカになってカッコ悪い…というのが常識かもしれませんけど、上の写真の車体に 700Cx28 を入れると、こうなります。どうでしょう? 700Cx28 でも違和感無く収まってませんか? また私の愛車写真です。
そんなわけで、タイヤ、ホイールについても、かなり柔軟に好きな物が使えるのが、BOMBTRACK ARISE なのですね。
キャリア・フェンダーなどの拡張性が高い:
また、BOMBTRACK ARISE には各所にダボ穴が用意されています。2021モデルであれば、画像等で確認すると次のようなダボ穴があるようです。
- トップチューブ上:2個
- フロントフォーククラウン:前後に各1個
- フォークブレード:中間部に1対
- フォークエンド:2対
- ダウンチューブ上面:3個
- ダウンチューブ下面:2個
- シートチューブ:2個
- チェーンステー上部:1対
- リアエンド:1対
これだけありますと、キャリアだろうとフェンダーだろうと取り付けに苦労することは少ないでしょう。また私の愛車写真を載せておきます。なお、2018モデルはダボ穴の配置と数が2021モデルと少々異なります。
もちろん、最近流行のバイクパッキング仕様だってOKです。また私の愛車ですが。
こうして私の愛車写真を比べてみると、同一のフレームとは思えないくらい千変万化ですね(笑)。
■ARISE は単なるシングルスピードバイクではない、”最高のカスタムベース”で”末永く付き合える相棒”:
そんなわけで、日本のメディアでは「シングルスピードのマルチツーリングバイク」…などといった単純すぎる表現で語られている BOMBTRACK ARISE なのですけど、その実態・本質は「最高のカスタムベース車両」…なのです。
好きなようにカスタムできるということは、様々な用途に対応できる多用途性がある…ということでもあるのですが、飽きずに長く使える…ということでもあります。
グラベルライドにハマったら太めのブロックタイヤを履かせて山に行く。翌年、山に飽きて泊りがけのロングライドに行きたくなれば前後キャリアで重装ツーリング仕様にカスタム。更に翌年、ちょっと自転車に飽きてきたら、不要な物を全て取り払ったシンプルなシングルスピードに戻して、ポーターラックと前カゴを付けて街乗り。その次の年はいきなりブルベに挑戦!…などなど。
その時の貴方好みのサイクルライフにどこまでも付き合ってくれる末永いパートナーとなってくれるのが、BOMBTRACK ARISE だと思う私です。
■あえてARISEの欠点を言うなら…:
ちなみに、あえて BOMBTRACK ARISE の欠点を言うなら、こんな感じでしょうか。
- クロモリの頑丈なフレーム・フォークですので、どうしても重めです。軽量バイクとはお世辞にも言えません。完成車販売時(シングルスピード)で 10kg~11kg くらいでしょうか?(要確認)
- オーバーサイズのヘッドチューブ。テーパードじゃありませんので、カーボンフォークとかは使いにくいと思われます。もちろんサスペンションフォークもダメです。
- フロントフォークブレードに最近流行の3対ダボ穴があったらなぁ…。
でも、逆に言いますと、3シーズン使ってみてこのくらいしか欠点が思いつきません。
■結語:
そんなわけで、私なりの BOMBTRACK ARISE 愛を語ってしまってちょっと恥ずかしいですけど(苦笑)。
BOMBTRACK ARISE は真っ白なキャンパスです。そこにどんな絵を描くかは貴方次第。そして、何度でも描き直し塗り直すのも自由。そんな自転車が手元に一台あっても、決して無駄にはならないはずだと私は思います。
サイクリングに興味を持ち始めた人の最初の一台として。カスタムマニアの方の改造ベース車として。ガチのロードレースとは別に気軽なサイクリングのための二台目として。色々な方に受け入れられる素質があるのが、BOMBTRACK ARISE だと思うわけです。
その辺のところが大手メディアの記事には完全に欠落してましたので、思わずこんな記事を書いてしまったわけです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。